地域包括ケアシステムの深化と在宅医療
在宅医療の普及啓発(柏市、富岡町調査)
山梨県は、「地域医療構想」を策定するなど、将来の保健・医療に関する総合的な体制整備の方針を示しています。これらの計画では、在宅医療提供体制の充実・強化を重要なポイントとして位置づけ、取り組みを進めています。
在宅医療の推進には、医療機能分化と多職種連携が重要。
地域包括ケアシステムの深化に向け、在宅医療の推進は不可欠です。しかし、その認知度は低く充分な推進体制が構築できないという課題があります。
山梨県は、
在宅医療に関する県民への普及啓発)
情報提供の場の確立(県医師会や県看護協会と連携して、県民向けの講演会の開催やポスターの作成。情報提供の場となるよう、県医師会館「在宅医療総合支援センター」設置。)
在宅医療ニーズに対応していく人材育成)
多職種が連携して在宅医療を提供するチーム形成などに支援、トータルサポートマネージャーをH29年度から5年間で50人養成。するとしています。
在宅医療の先進地、柏市であっても、在宅医療に対する認知度は低く、課題だ。との事。
柏市は、「地域=病院」がコンセプト。医療機能分化と多職種連携がポイントです。
視察調査した「柏市地域医療連携センター」が拠点となり推進しています。
福島県富岡町に新設された「ふたば医療センター」は、原発事故のため避難されている町民を迎え、支えるための病院です。
30床のコンパクトな病院は、16000人(2010年)の町には適当なのかもしれません。しかし、現在の人口は500人(非公式情報)ほどとか。
資料:柏市保健福祉部、山梨県福祉保健部、平成30年7月
特定行為を行う看護師の育成
増加する在宅医療のニーズに適切に対応していくためには、医療と介護に係る多職種が緊密に連携すると共に、職種ごとの専門性を高める必要があります。こうした中、看護については、医師等の判断を待たず手順書により看護師が診療を行う「特定行為」が可能となりました。
特定行為を行う看護師は、必要性だけでなく「地域包括ケアシステム」を推進していく上で重要な位置付けとなります。
しかし、山梨県は、黎明期にある状態です。
県内でも、県や県看護協会が中心となり、在宅看護について啓発しています。
協働する医師から見た特定行為研修修了者
地域を支える病院における特定行為研修修了者の活動
特定行為研修制度に係る行政の取り組み(岐阜県)
介護施設における特定行為研修修了者の活動
平成30年4月 2月定例会予算特別委員会質疑
画像、データー参照
- 厚生労働省 各調査統計資料
- 県、県看護協会主催セミナー
- やまなし健康長寿延伸新戦略他
健康長寿日本一、山梨。
山梨県は、健康長寿日本一です。特性を更に延伸するためには、健康づくりや予防の取り組みなどが重要です。
医療と介護が連携したサービスとそれを支える保険制度の維持。医療機能の分化・連携強化による包括ケア体制の充実。検診や予防などの取り組みによる医療費適正化。医療・介護を支える人材の育成確保など総合的な推進体制を確立し実現に向け取り組みます。
本年3月に示された全国健康寿命ランキングは、男性1位、女性3位と上位です。一方、平均寿命は男性20位、女性18位と中段に位置します。
平均寿命と健康寿命の差が小さいほど理想とされ、本県は、男性2位7.64年、女性6位11.00年と上位にあります。
厚生労働省が、平成29年6月に公表した「平成28年 国民生活基礎調査の概況」では、健康意識において、男性86.7%、女性84.4%が健康と思っているとのことです。
平成30年4月
画像、データー参照
- 厚生労働省 各調査統計資料
- やまなし健康長寿延伸新戦略他
医療費適正化への取り組み
平成30年度より、山梨県は、国民健康保険の責任主体となる事を踏まえ、超高齢化社会の現実に直面している今、適正な医療や介護が保険制度の下に成り立っている事を考慮すると、医療費の適正化は必須です。
検診や予防、包括ケアシステムの深化、医療機能の分化連携などの取り組みと共に医療費適正化への取り組みは重要です。
今の医療費適正化計画を推進しても、1%程の効果しかなく、更なる改善が必要です。
平成30年4月 遠藤ひろし県議会報告第20号
画像、データー参照
- 厚生労働省 各調査統計資料
- やまなし健康長寿延伸新戦略他